ポケモンカード、とりあえず合ったら何でも買っておけとなっていたような。これまでのような強いトレンドの波は少しずつ収まっているようです。
拡張パック「黒炎の支配者」
強化拡張パック「レイジングサーフ」
と売れてはいるけど以前ほどポケモンカードの新弾が確実に売り切れるようになっていたわけではないようです。
もちろんまだ、BOXではなかなか買えませんし、多くが抽選販売・パック販売をしており、新弾発売時にはお祭り騒ぎとなっています。
PWCS2023横浜記念デッキ「ピカチュウ」のように特殊な状況に置かれている限定品は別として、通常販売アイテムについては、そろそろ、普通に入手できるようになってきているのではないかと思います。
トレンドで見るポケモンカード
世界最大のトレンドデータであるGoogleトレンドにおける検索結果を調べたものとなります。
2004年以降のデータが蓄積されており、長期的に見て分析することができます。
以下の色でグラフで示しています
青ポケモンカード
赤遊戯王OCG
黄色MTG
緑デュエマ
※レイジングサーフの初動価格
90日のトレンドグラフ
大きく盛り上がりを見せたところは、黒炎の支配者とレイジングサーフが発売したタイミングです。
この間に世界大会もありましたが、新弾発売のトレンドの強さに比べると、世界大会は弱かったようです。
このことからいえるのは「ポケモンカードコンテンツではなく発売日にポケモンカード新弾がどこで買えるかを調べている人がかなり多いということではないか」という点だと思います。
世界大会の物販は抽選でしたし、買える買えないのほうがやはり大事だと感じるところです。
また、グラフ最後の波は「レイジングサーフ」発売の波ですが、黒炎の支配者よりも検索数が減っています。
レイジングサーフは塩BOXといわれていた部分もありますが、地方では買えませんがカード価格の下落にあわせて少しトレンドの強さが落ちているように感じます。
レイジングサーフの盛り上がりは黒炎の支配者以下ということですね
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1年のトレンドグラフ
この1年で見ると、スカーレット&バイオレットの発売から、トリプレットビート(シールドBOX)で少し陰りを見せ、スノーハザード&クレイバーストとポケモンカード151でピークに達していることがわかります。
トリプレットビートはどうしてもシールドパックということでレイジングサーフのように構築では塩といわれている部分から、シールド系の箱の時はトレンド的にも弱いということが感じられます。
クレイバーストのナンジャモ
ポケモンカード151
の時は高騰からの大暴落の時期でもあることから、ちょうどその波に乗って、まさかのVSTARユニバースの時以上にトレンドとしてはつよくなっていたということです。
過去5年のトレンドグラフ
正直なところハイクラスパック「シャイニースターV」まではポケモンカードの人気はMTGと同じでしたし、こうやって見返すと現実的な頂点は、ポケモンカード151の時だったということがわかります。
本来であれば新弾発売と同時に大きくトレンドグラフが跳ねるのがポケモンカードでしたが、それもなくなってきています。
イーブイヒーローズなど過去に盛り上がったタイミングもありましたがポケモンカード151が国内におけるピークだったということは間違いなさそうです。
この5年間で遊戯王OCGを完全に置き去りました。
いかにここ数年のポケモンカードが異常な人気化ということがわかるのではないかと思います。
2004年からのトレンドグラフ
2011年頃まではマジック:ザ・ギャザリング
2015年から2020年頃は遊戯王OCGが急にトレンドトップに
その後2020年以降にポケモンカードが台頭してきたことがわかります。
トレカ全体を見たときにトレンドとして強くなってきているのは2015年以降ですね。
ポケモンカードを単独で見たときにこれまで順調にトレンドを強くしてきましたが、やはり伸びに陰りが見えているのがわかります。
これまで黒炎の支配者以降、強かった時に比べると検索が減っていますね。
この先のトレンドはわかりませんが、これで次弾やハイクラスパックで検索数が減るとなるとトレンドにかなり陰りがでてきたということがいえると思います。
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国際的なトレンドで見るトレカ
世界全体で見たときにまだまだ強いのはMTGであることは変わりない事実です。
ポケモンカードが世界的に伸びてきていることは紛れもない事実ですが、トレーディングカードゲーム全体を見たときにはまだマジック:ザ・ギャザリングが世界No.1トレーディングカードゲームであるということがデータ上は示されています。
日本におけるポケモンカードの異常性
希少な物、数が少ないものに何十万円、何百万円という値段がつくことは当たり前ですし、それがモノの価値というものです。
ポケモンカードのユーザーであれば「ナンジャモSARが10万円といわれれば普通」なのでしょうが、他のTCGでいえば「マジック:ザ・ギャザリングのボロボロのUnderground Seaが10万円」です。
現存流通数は『ナンジャモSAR>>Underground Sea』です。
世界的なトレンドでいえば『MTG>ポケモンカード』です
それでもナンジャモSARの日本語版は10万円なのです。
日本のポケモンカードの異常性として、以下の点が挙げられます。
これらの要素があるからナンジャモSARが10万円で取引されているとかんがえることができます。
ガラパゴス化
実存数と価格の不均衡
投機性
異常なまでの極美品への拘り
市場の不健全さ
ガラパゴス化
日本のポケモンカードは、ゲームとして通じるのは日本だけです。
日本だけ世界と裏面が違います。
これはポケモン発祥の地として仕方ない部分ととらえることができる反面、ガラパゴス化が進んでいるともいえます。
世界共通のゲームであるのにもかかわらず、日本だけの括りで進んでいくことは大変危険です。
世界ではPTCGOGLなど国際的なポケモンカードのオンラインゲームの枠組みもあるにもかかわらず、これに日本は参加できていません。
トレーディングカードゲームとして国際的に大会をやっているにもかかわらず国際ルールではなく日本のルールで国際大会だけ国際ルールで参加するのは今後無理が生じてくる可能性が極めて高いと思います。
実存数と価格の不均衡
市場流通に対して価格が高すぎるカードが多すぎます。
価格が下がってきたことにより以前に比べて健全化されてはきましたが、まだまだ実需に対しては高いということができるのではないかと思います。
投機性
国内市場で誰かが仕掛けて釣り上げ、売りぬいて誰かが損をする。
それを繰り返しているのがポケモンカードのシングルカード市場(女の子SR)です。
投資・投機は自己責任ではあるので騙される方が悪いのですが、カードを楽しむのではなく値動きで一喜一憂するカードとなってしまっています。
極美品への異常なまでの拘り
鑑定に出した場合PSA10以外は無価値(とまではいいませんが)というような市場形成がされています。
ここまで極端な価格となるのはポケモンカードのみです。
また鑑定品ビジネスにCLOVEが参戦したりなど異常な様相を呈しています。
カードを販売する事業者が自分の都合の良いように鑑定を付ける。
なにがなんだかさっぱりわかりませんね。
海外ではebayも鑑定をしていますが、あくまで真贋鑑定のみに留めています。
そこでグレーティングサービスを行うことがトラブルになるとわかっているからかと思います。
市場の不健全さ
ポケモンカードの市場は、
BOXの転売
高額シングルカードの価格操作
お祭り騒ぎ
でできているといっても過言ではありません。
今後のポケモンカードはどうなるのか?
古代の咆哮/未来の一閃
シャイニートレジャー
が2023年中は控えています。
古代の咆哮/未来の一閃についてはまだ未知数です。
ただ、生産量は傍から見てもまだまだ増えていますので、パック販売については普通に買えるようになってきていることは間違いないと思います。
発売日に買えなくてもすぐにパック販売などが各地で行われると思います。
おそらくですがハイクラスパックであるシャイニートレジャーはこれまでのハイクラスパックの比ではない量を生産するのではないかと思います。
これだけ騒ぎとなっていますし、通常弾の数倍作っても株式会社ポケモンとすれば売れますし。
ただ大量生産によりシングルカードの価格は健全化するでしょうし、以前のようなBOX高騰は徐々に収まってくるのではないかと思います。
※ポケモンカードとワンピースカードゲーム以外のカードなら欲しい時にパックが必ず買える
これは意外と間違いだったりします。
他のカードゲームであっても再生産待ちなどで、実は市場から欲しいパックがなくなっているということはあります。
MTGでもそういう時、結構あるんですよ。
ここ数年であれば、「灯争大戦」「エルドレインの王権」「ストリクスヘイヴン」「モダンホライゾン2」などでそのような事象発生した時がありました。
むしろこのような状態になった場合、買える量の縛りはあるものの、生産頻度が細かいポケモンカードのほうが買える可能性が高いということも言えるのではないかと思います。
再販では買えましたが、エルドレインの王権買えないとき本当に買えませんでした。
もう忘れている人も多そうですが、遊戯王OCGも発売日に買えなかったことがあったことを忘れてはいけません。
市場の二極化
ごくごく当たり前のことですが、
古いカードは高騰
流通量の多いカードは下落
市場がはっきりと形成されていくと思っています。
全体的な相場は下落傾向になるのではないかと思います。
ポケモンカードバブルといわれて以降のカード(大量に鑑定をされているような時代のカード)は、市場流通数も多く、基本的に高額を維持することは難しいのではないかと思います。
数千枚もあるようなカードに10万円。はなかなか厳しいと思います。
価値がつくとしたら、
流通量が少ない古いもの
限定品
国際的評価
を考えないといけないとも思っています。
日本のポケモンカードは『ガラパゴス化』が進んでいます。
リーリエだマリィだは日本だけです。
海外では「ポケモン・Pokémon」なのです。
トレーディングカードゲーム自体は既に市場は世界に移っています。
暴落はいつ?
正直なところいつ来てもおかしくないといえそうです。
一部高騰を煽る人たちが頑張ってはいますし、それらの対象となっているカードは騰がっている事実がないとは言えません。
ただ、レイジングサーフや黒炎の支配者などからも言えることですが、
高くないと困る人が強引に市場を釣り上げている相場
であることは感じている人が多いと思います。
これまで高く仕入れているので高く売れないとお店とすれば赤字です
それをどうにかするために高く売るために、
本来は買取出来ない価格の買取票を作って高く見せて理由をつけて安く買う
制限を付ける
高値煽りをする
などでどうにか高く見せようとしています。
これができなくなったとき、値段をさげつつ大手のお店が売りぬこうとするとき、それが暴落の合図になると思います。
現実的に一瞬高額買取を示したようなカードがまだじわじわ値段を下げています。
そういう意味では暴落の合図はもう出ているのかもしれません。
ただ現実的にほころびはかなり見えています。
以前ならこのような価格では取引されなかったであろうシキミSRは2000円を切っています。
いくらあまり人気のない女の子SRでも初動価格で2000円は以前ならありえませんでした。
ボタンSRでも8000円とかしていましたしね。
リザードンex SARであっても現実的に売れているのは30000円
パラソルおねえさんも20000円では売れなくなっています。
他のカードでも似たようなことはかなり起きています。
目線は広く・大きく
トレーディングカードゲームの市場自体は、国際的にみても、国内で見ても拡大していますし、成長産業であると思います。
極端に拡大しすぎたポケモンカードは、その分値段が崩れたときに大きな損失を被ることが、遊戯王OCGの流れからしても明らかです。
もしこれで国際的な流れに乗ってMTGに人が流れたら
新しい何か似たようなトレンドが生まれたら
市場に飽きられてきたら
2023年夏の暴落以上のことが一瞬で起きる可能性を充分に秘めていますし、現状、そのような空気が漂っている気もしています。
6月の暴落前にもこんな記事をあげましたが同じことは、それ以上のことが繰り返されたときにどうするかきちんと準備はしておきたいですね。
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