誰の目から見ても、ポケモンカードの価格は大きく下落しました。
併せてONE PIECE カードゲームの暴騰も短い命でした。
2023年5月~6月の高騰は夢だったのか?幻だったのか?
あの時、高値で煽って買わせた人・購入した人
ポケモンカードは不滅ですと煽った人
結果借金を抱えてしまった人・売り抜けて逃げれた人
様々であったと思います。
ただ、この高騰タイミングでカードショップを始めたことにより、年末にきて、閉店が増えているような気配も感じます。
マジック;ザ・ギャザリング専門店は厳しいのは承知ですが、オリパ専門店などもかなり苦しいような気配があります。
大手はどうなんでしょうか?
まだ広告を出すくらいの余裕はありそうですが、一部では広告依頼者との契約解除などの話もあるようです。
かなり厳しい展開にはなっていそうですね。
ポケモンカード高騰の要因はなんなのか?
2020年、年末のシャイニースターVあたりを皮切りに始まったポケモンカードゲームの高騰ですが、この原因についてはなんだったのか?
これについて少し考えていきたいと思います。
一連の流れ
コロナ禍と転売ヤーの台頭
コロナ禍で大きく目立ち始めたのが、転売ヤーという存在です。
自宅待機やテレワークになったことに目を付け、当初はマスク、ニンテンドースイッチなどを安く買って高く売る行為をしていたことは記憶にあるのではないかと思います。
プレイは出来なくてもコレクション需要の高いトレーディングカードゲームもこのターゲットにされました。
2020年10月の段階では、普通にシャイニースターVは通販サイトでもカートン予約可能でしたし、ある意味転売ヤーのコミュニティでじわじわと高騰していったといっても過言ではないと思います。
ポケモンカードの転売はそのほかの転売と比べるとかなり一線を画すものであったと思います。
これまで一般的に言われていた転売ヤーというジャンルのみならず、主婦層(子連れ含む)や学生など、様々な層に浸透していました。
需要と供給の不一致
品薄となれば欲しくなるのが人の心理です。
イーブイヒーローズの時は多くのファミリーマートで予約をすることができました。
その流れで発売された「蒼空ストリームと摩天パーフェクト」
イーブイヒーローズでのトラブルからほとんどの店舗で予約ができなくなりつつありました。
ただでさえ生産量も少なかったにも関わらず、Amazonが在庫設定量ミスで無限在庫⇒からの一人1箱ずつとなり、ほとんど購入できなかったという状況に陥ります。
転売ヤーの功罪ともいえる点ではありますが、
「これだけ売れているポケモンカードってなんだろう。やってみたい。」とプレイヤー人口も増えていくことになります。
一時的な落ち着き
2021年のハイクラスパック「Vmaxクライマックス」~「Pokemon Go」BOXまでは一時的に落ち着いていたといえる部分でもあります。
Vmaxクライマックスはカートンで一般店舗で販売された事例もありましたし、タイムゲイザーなどはそれなりに売れ残っていました。
2022年は買いにくくはありましたが、比較的落ち着いていたというべきでしょうか。
コロナ禍明けの高騰
2023年となり、コロナ禍が明けたこともあり、一気に流通が増えました。
しかしながら人の流れが増えたことにより、更なる高騰となりました。
ポケカ投資家の高騰煽り
大手トレカ事業者の連日の買取最高値更新
不滅神話
PSA鑑定品などの盛り上がり
これによりポケモンカードのシングル価格は過去最高の盛り上がりを見せます。
この時期に暴落について警鐘を鳴らす記事をいくつか作成していますので、見てみてください。
ただ、これもいつまでも続くわけがないことから、急激に価格を戻すこととなります。
また、当たり前のことですが、販売元である(株)ポケモンも大量生産をかけ、流通量を増やしました。
2023年12月現在で、『買えない』から『普通に買えるようになった』といえるようなところまで戻ってきています。
都市部ではヨドバシカメラ中心にBOX販売が。
地方でもコンビニでだいぶ普通にパックくらいは買えるようになってきています。
未来の一閃に限って言えば、Amazonクラスでも普通に購入することが可能です。
暴落の要因は?
複数個の要因が挙げられます。
流通数の増加
買い支えが無理な量・金額までの高騰
詐欺まがいの高額買取表
鑑定品神話の崩壊
などが主な要因でしょうか。
流通量の増加
当たり前ですが、流通が増えればカード単体の価値は下がっていきます。
ポケモンカードの生産量は異常とまで言えるほどです。
それを受け入れるだけの需要もあるのですが、今の供給量はそれを越えつつあります。
実際に売れ残っているパックもだいぶ見かけるようになってきていますし、シングル価格も流通が増加するにつれ下がっています。
買い支えが無理な量・金額までの高騰
ポケモンカードの高騰の仕方は異常でした。
連日買取相場が騰がるため、高騰見込みで売って買ってをお店も、バイヤーも個人も繰り返していました。
ただ、資金は有限ですし、そもそもの流通量が多いものに無理やり価値をつけている点で無理があります。
どこかでショートし、急激な下落をします。
買い取っても売れなくなれば買取を止めるしかありませんし、そうなれば狼狽して売ろうとするのが人の心理です。
詐欺まがいの高額買取表
実際の買取表と本当の買取価格は違います。
先日難癖をつけてPSA10の買取価格がゼロだったなんて話も出ています(某大手買取店)
「10万円で売れる見込みで5万円で買い、いざ売りに行ったら3万円だった。」
それが現実です。
鑑定神話の崩壊
はっきりと言いましょう。『PSA鑑定はザルです。信用に値しません。』
一定の基準はあるようですが、割って再鑑定を出してPSA8がPSA10になったなど普通にある話です。
人の主観によって鑑定しますので分からないでもありませんが、そのレベルの鑑定品で付加価値をつけることは不可能です。
更にひどいのは国内鑑定のCGS(Clove)の鑑定でしょうか。
CGS6がPSA10になったと。。。
鑑定品自体に価値を見出せなくなってきています。
現状鑑定に求めるものは、真贋鑑定ではないかと思います。
ある意味真実を知ったユーザーが増えてきたのだと思います。
作られた相場、操縦された相場であることを理解して手を引く人、あきらめる人。
様々ですが、その相場は続く者ではありません。
ちなみに株式であれば相場操縦は罪ですよ(トレカでは当てはまりませんが)
ONE PIECE カードゲームの縮図
ONE PIECE カードゲームは初回こそ生産量(出荷量)がリアルに少なかったために需要と供給の不一致が強烈すぎて高騰しましたが、2023年12月頃の高騰暴落については、
ポケモンカードの暴落に耐え切れず、「ポケモンカード投資家」といわれる人たちが煽って高騰させた。
実需がそこまでないため一瞬で暴落した。
また同様のことが引き起こされる可能性がある
ということでしょうか。
ポケカ以上にお粗末な結果となっています。
煽った人たちも売り抜けず苦労しているようですね。
ONE PIECE カードゲームの需要について
一概に以下のグラフだけで判断することはできませんが、参考になると思います。
海外では確かにトレンドも強くなっていることは間違いありません。
グーグルトレンドによるビックデータのグラフ(アメリカ合衆国)は以下の通りです。
ただし、日本で見ると実は最も人気があった時に比べて検索数が減っていることがわかります。
ある程度一定の波をたどっている他のカードゲームと比較すると少しずつですが人気に陰りが見えていることが見て取れます。
(ポケモンカードに至ってもピークは過ぎていますが)
普通に考えてピークを過ぎているカードの価格をあげようとするのは難しいと思います。
現実的に遊戯王OCGの価格が下がっている点もうなずけます。
次仕掛けられる可能性は?
あくまでイメージですが、エクストラブースターのタイミングで転売目的の人は仕掛けてくるのではないかと思います。
はじめての特殊セット的な部分になると思いますし、理由をつけて仕掛けやすいと思います。
今後、ポケモンカードやONE PIECE カードゲームの相場が戻る可能性は?
2023年5月~6月の高騰価格まで戻ることは厳しいと思います。
ポケモンの需要は世界にあります。ただし、
トレーディングカードゲームというものが世間に認知され、
発行枚数も多く、
美品がたくさん残っている
という現状があります。
同価格帯でいえばMagic the GatheringのBlack Lotusをはじめとした再録禁止があります。
トレカ全体で世界で見れば需要はそちらの方が高く、流通量が少なく、美品が少なくても暴騰時のポケモンカードと価格帯は同じくらいです。
果たして1000枚以上もあるカードと100枚未満しかないカードの価格が同じで釣り合うのか。
ザル化する前のオールドカードの鑑定品と今のカードの鑑定品の価値の差は?
と考えても、同じ価格になるのは不可能に近いと思います。
これからのポケモンカードとワンピースカードゲームの価値は?
資産的な価値がゼロになるとは言いません。
ただ、実需的な価値としての価格で落ち着くのではないかと思います。
リーリエが1000万
ルフィが30万
というのはバブルだった、弾けたものです。
意図的に作り上げられたものではなく、需要と供給が一致する相場に次第に近づいていくと思います。
同じトレカでも?
【PR】海外トレカはTcg-Player
以前からずっと言っていますが、再録禁止のMTGはそういう意味ではこれ以上増えることがないことから安定していますね。
ポケカやワンピカードが暴れている中でも王者の風格で我関せずと。
構築による需要差で価格が騰がったものはありますが、蓋を開けてみれば再録禁止MTGについては一人勝ちなのかもしれません。
需要が下がったカードの一部はもちろん下がったりしていますが、デュアルランドなどはここ数年で全体的に数割安定して価格が騰がっていますよ。
トレカ産業が終わるということではない
高騰が全て悪いことではなく、トレカ自体が一般に認知された数年間、これまでオタク趣味の筆頭ともいえるものが、若い世代を中心に親しまれる日常的なものとなったと思います。
産業として発展する際に、様々なトラブルや問題点がでるのは仕方ない部分だと思いますし、これを乗り越えて業界全体として安定が図られていくのではないかと思っています。
むしろトレカ全体を健全な方向で盛り上げていくのはこれからだと思っています。